石川町長 首藤 剛太郎
昭和30年(1955年)に石川町、沢田村、山橋村、中谷村、母畑村、野木沢村の1町5か村が合併して現在の石川町が誕生し、本年3月31日をもって合併70周年を迎えております。
古くは中世期に三芦城(石川城)の城下町、江戸時代は海浜と内陸を結ぶ要衝の地として賑わい、明治時代以降、街道が整備され、特にいわき方面と白河方面をつなぐ「御斎所街道」の宿場町として栄えてきたこの地は、当時から庄屋を中心として話し合いで物事を決める自治的雰囲気が醸成されており、この自治の気風が河野広中ら民権活動家による自由民権運動へとつながり、本町の礎が築かれました。
長い歴史の中で紡いできた人々の営みが、古き良き伝統となって現代に受け継がれ、本町は発展を遂げてまいりました。この間、二度にわたる財政危機、平成23年東日本大震災や令和元年東日本台風などの災害、コロナ禍など幾多の困難にも直面しましたが、歴代の町長をはじめ関係各位の英知と努力により、難局を乗り越え、社会基盤の整備、町民福祉の充実、教育文化の振興、産業経済の発展、地域自治の推進など各方面において大きく躍進を遂げてきたところであります。これも偏に、町民の皆様、そして町議会など関係各方面の御支援と御協力の賜物と心より敬意と感謝の意を表します。
平成、令和と時代は移ろい、近年の少子高齢化と急激な人口減少、デジタル社会の進展、SDGsへの取り組みなど、めまぐるしい変革の時を迎えております。合併70周年の節目に、町民の皆さんとともにこれまでの歩みを振り返り、歴史や文化、地域資源などの大いなる魅力を再認識する契機とし、町内外に広く発信していくとともに、シビックプライドの醸成を図り、「共に創る 幸せ実現のまち」の実現を目指してまいります。
結びに、町民の皆様ほか、これまで本町の発展にかかわれたすべての皆様に改めて敬意を表しますとともに、今後も引き続き御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げ、御挨拶といたします。